頭・心・身体の関係

運営:株式会社 ラポール企画

〒370-2456 群馬県富岡市上小林210-3
TEL:090-3007-1707
E-mail: info@rapport-dai.jp

トップページ頭・心・身体の関係

【頭・心・身体】の関係についての考察

2009年3月1日 大小原 利信

目的

人の行動を左右する「頭(知識)」と「心(情熱)」に関してその仕組みや特徴を考察し、人の自立的な行動を引き出すための“カギ”を推察します。

一般の文献では文字での表現が多く、理解しにくいので、あえて図を使用して表現しました。

概要

参照:泉谷閑示 氏(精神科医)資料

図-1 解説

図-1イメージ
図-1
  人は「身体」と「頭(知識)」「心(情熱)」で構成されていると仮に設定して、「頭」の指令を「心」のフィルタを通して「身体」を動かしています。

「頭」は、過去に経験したことや学習したことを知識として保存していて、物事を知的に判断します。また、自分の過去と将来の希望(夢やあるべき姿)を持っていて、その過去の経験や将来の理想を追い求めています。

一方「心」は、今現在の身体の様子を素直に表しています。

心と頭がバランスよく機能して、身体に命令が行くと、積極的な行動が期待されます。

スポーツ選手などが「気合」という心の力を盛り込めると、想像以上の成果が発揮できることがありますが、人の行動には「心」の持ち方が関係しているようです。その一方で「心」だけが強くなると、思うように成果が出ないことが、しばしばあります。よく「あがってしまった」ということになります。

このように、「頭」と「心」とはバランスよく機能することで、適切な行動をすることができます。

図-2 解説

図-2イメージ
図-2
「頭」と「心」の間に「調整弁」という仕切りをイメージします。普段はこの「調整弁」を開いた状態にしておくことで、「頭」「心」を一体にして適切な(素直な)指示が「身体」に与えられます。

この「調整弁」を開いた状態が「自己理解・自己一致」の状態と言え、人間本来の純粋性が発揮されている状態であり、個々人の本来兼ね備わっている自己成長力が期待できる状態といえます。

(人は感情の動物を言われていますが、心の持ちようで行動の成果が大きく変ってきます。オリンピック選手などで実力はあるし、練習では絶好調という選手が、気持ちの整理が出来ず結局思うような成績を残せない例は数限りなく存在しています。)

図-3 解説

図-3イメージ
図-3
例えば、「身体」は「腹が減った。早く何か食べたい」と訴えたとき、「心」は現実の「身体」の主張を受け「満腹になりたい。おいしいものを食べたい」と素直な欲求を示します。しかし、「頭」は知的に考えるので太っている人だとすると「食べるとメタボになるから我慢すべき」と判断をくだします。

その時に知的に考える「頭」が勝つと、「調整弁」を閉じてしまい、「心」を閉ざして「身体」に直接「食べるな」と指示を出します。

事例-2:「身体」は「毎晩の残業で疲れた。早く帰って寝たい」と訴えたとき、「心」は素直に「たまには早く帰って家族団らんしたい」と欲求をしますが、「頭」は「仕事は残してはいけない。最後までやるべき」と考えて、頭から直接身体に「仕事を続けるように」指示を出します。

図-4 解説

図-4イメージ
図-4
このように、「頭」から「身体」へ「XXXすべき」「XXXせねばならない」との直接的な指示が続くと、「身体」は心とは裏腹な無理な行動を強いられるため、バランスを崩してきます。さらに「心」は閉ざされて「頭」に押さえつけられているので、不安感などストレスがかかっている状態となります。

「頭」から知的な指示だけで行動をしていると、その成果は小さくなることがあります。

「気剣体一如」という言葉がありますが、気持ちや体が一体となって、大きな成果が表れるものです。

この「調整弁」を開き、「頭」と「心」のバランスを取り戻すには「カウンセリング」により、自分自身をじっくり考える(見つめる)ことが必要です。「頭」の知的な指示だけでなく「心」の感情を取り戻して、バランスを取り戻すことが出来ると、大きな成果になります。

図-5 解説

図-5イメージ
図-5
来談者中心療法によるカウンセリングにより、人は本来の自己成長力を取り戻して主体的な行動を行うことが出来ます。

マズローの5段階欲求説」で示すように「人は認められたい」という願望があり、その承認欲求が満たされると「自己実現欲求」と変化していき、個々人の自己成長力を発揮できることとなります。

一般的なリーダーシップ論で

  • 凡庸なリーダーは、指示をする
  • 良いリーダーは、説明する
  • 優れたリーダーは、範となる
  • 偉大なリーダーは、心に火を付ける

と言われています。

リーダーシップは組織の力を最大限に発揮することが目的ですから、リーダーがプレーヤーとして頑張って仕事をしてみても、その成果は限られています。チーム員個々人が持っている能力を最大限発揮することが、究極のリーダーシップと言えるわけですので、リーダーシップを発揮するには「傾聴」スキルが必要になるわけです。

また、「人は指示されるとやる気がなくなる」と言われます。子供に「勉強しろ」ばかり唱えている親の環境で育った子供はどのように成長するでしょうか?

指示待ち人間、自主的な行動をしない・・・などの人格となる可能性があります。

企業内でも管理職が1から10まで事細かに説明し、進度チェックとばかりに、詳細の報告書をたびたび求めることが、業務効率面を考えても無駄があります。部下を信じていないこととなります。

結論

リーダーシップには「傾聴」スキルが必要。「自分の部下を信頼すること」が大切です。

以上